1. 追証の型(これだけ覚える)
ステップ1:受入保証金 = 現金 + 代用有価証券の時価 × 掛目(上場株なら80%)
ステップ2:保証金の残り = 受入保証金 − 建玉の評価損
ステップ3:維持額 = 約定代金 × 20%
判定:保証金の残り < 維持額 なら追証。足りない分(維持額 − 残り)を差し入れる
- 建玉の評価損:買建なら「(建値 − 今の株価)× 株数」。株価が下がった分です。
- 「約定代金」は建てたときの代金(建値×株数)です。今の株価では計算しません。
- 代用有価証券の株価が動くときは、その時価にも掛目をかけ直します。
2. 例題①:追証はいくらか
顧客が、A社株を1株1,000円で3,000株、制度信用取引で買い建てた。委託保証金は、B社株(時価150万円)を代用有価証券として差し入れた(掛目80%、維持率20%)。その後A社株が750円に下がった(B社株の時価は変わらない)。追証はいくらか。
- 受入保証金:150万円 × 80% = 120万円
- 建玉の評価損:(1,000円 − 750円)× 3,000株 = 75万円
- 保証金の残り:120万円 − 75万円 = 45万円
- 維持額:1,000円 × 3,000株 × 20% = 60万円
- 45万円 < 60万円 なので追証。差し入れる額は 60万円 − 45万円 = 15万円
- よくある引っかけ:維持額を「今の株価(750円)× 3,000株 × 20% = 45万円」で計算させる選択肢。約定代金は建値で固定です。
- 掛目をかけ忘れて受入保証金を150万円にする選択肢も消しましょう。
3. 例題②:いくらまで下がると追証が出るか
同じ条件で、「A社株がいくらを下回ると追証が必要になるか」と聞かれる形です。「保証金の残り = 維持額」になる株価を逆算します。
- 維持額は60万円で固定。受入保証金は120万円
- 評価損が「120万円 − 60万円 = 60万円」になった時点で、残りが維持額とちょうど同じ
- 1株あたりの評価損は 60万円 ÷ 3,000株 = 200円
- 建値1,000円 − 200円 = 800円。800円を下回ると追証が必要
- 答えの選択肢が「800円」と「800円を下回る」で並んでいたら、ちょうど800円では追証は出ない(残り=維持額で割っていない)ことに注意。
4. 例題③:信用買いを転売したときの受渡代金
計算というより足し算引き算ですが、たまに出ます。
1株2,000円で1,000株を信用で買い建て、2,200円で転売した。委託手数料は新規・返済とも各3,000円(消費税別、税率10%)、金利は5,000円とする。顧客が受け取る金額はいくらか。
- 売買の利益:(2,200円 − 2,000円)× 1,000株 = 20万円
- 手数料:3,000円 × 1.10 × 2回 = 6,600円
- 金利:5,000円
- 受取額:20万円 − 6,600円 − 5,000円 = 188,400円
- 買方が払うのは金利。売建の場合は貸株料(逆日歩があればそれも)を引き、代わりに売却代金に対する金利を受け取るので足します(信用取引の数値)。
- 手数料に消費税を乗せ忘れた選択肢(189,000円)は消しましょう。
5. 本番での解き方
- 問題文から「建値・株数」「代用有価証券の時価と掛目」「今の株価」の3つを拾う。
- 受入保証金(掛目をかける)→ 評価損 → 残り → 維持額(建値で)の順に4つの数字を書く。
- 聞かれているのが「追証の額」か「追証が出る株価」かを最後に確認する。
二種の計算①株式の受渡代金と同じく、数字を拾う場所を間違えなければ落とさない問題です。