1. 先物取引とは(1分でわかる仕組み)
先物取引は、「将来の決まった日に、今決めた値段で売買する」約束です。実際に株や国債を受け渡すのではなく、ほとんどは差金決済(約束した値段と、期日の値段の差額だけをやり取り)で終わります。
- 買建:将来の値段が「今決めた値段」より上がれば儲かる。
- 売建:下がれば儲かる。現物を持っていなくても売れる。
- 取引するには証拠金を預けます。少ない資金で大きな金額を動かせる(レバレッジ)ので、ハイリスク商品として一種だけが扱えます。
- 市場での先物取引は証拠金制度と清算機関があるため、相手方の倒産リスク(カウンターパーティ・リスク)を気にする必要がありません(店頭取引との最大の違い。店頭デリバの用語)。
2. 株価指数先物の数値表(日経225・TOPIX)
| 項目 | 日経225先物 | TOPIX先物 |
| 取引単位 | 指数 × 1,000円 | 指数 × 10,000円 |
| 呼値の刻み | 10円 | 0.5ポイント |
| 限月 | 3・6・9・12月(6・12月限は直近16、3・9月限は直近3の19限月) | 3・6・9・12月の直近5限月 |
| 取引最終日 | 各限月の第2金曜日の前営業日 | 同じ |
| 最終決済 | 差金決済(SQ値で清算) | 差金決済 |
| 取引方法 | 個別競争取引 | 個別競争取引 |
| 制限値幅 | あり(サーキット・ブレーカー制度あり) | あり(同じ) |
- SQ(特別清算指数):取引最終日の翌日(第2金曜日)の寄り付きの値で算出される、最終決済に使う値です。取引最終日まで決済しなかった建玉は、SQ値で自動的に差金決済されます。
- 新しい限月の取引は、直近限月の取引最終日の翌営業日から始まります。
- 限月間スプレッド取引:期近の限月と期先の限月を同時に反対売買する取引。「スプレッドの買い」がどちらの限月を買うことになるかは、株価指数先物と国債先物で逆なので、問題文の定義を読んでから解きます。
3. 国債先物の数値表
| 項目 | 長期国債先物 | 中期国債先物 |
| 標準物 | 利率6%・残存10年 | 利率3%・残存5年 |
| 取引単位 | 額面1億円 | 額面1億円 |
| 呼値の刻み | 額面100円につき 1銭 | 1銭 |
| 限月 | 3・6・9・12月の 常時3限月 | 同じ |
| 取引最終日 | 受渡決済期日の 5営業日前 | 同じ |
| 決済方法 | 差金決済、または 現物の受渡し | 同じ |
- 標準物:実際には存在しない「架空の国債」です。利率6%・残存10年という条件の国債を先物として売買します。
- 受渡適格銘柄:取引最終日まで持ち越した場合、現物の国債で受け渡すこともできます。受け渡す銘柄は、複数の候補の中から売方が選びます。
- 株価指数先物は差金決済だけですが、国債先物は現物の受渡しもできる。この違いは○×の定番です。
4. 証拠金のルール(○×で出る)
| 項目 | ルール |
| 差し入れる期限 | 取引した日の 翌営業日まで(非居住者は翌々営業日) |
| 計算方法 | VaR方式(相場の変動を想定して必要額を計算) |
| 建玉の評価損 | 必ず現金で差し入れる(有価証券で代用できない) |
| 代用有価証券の評価損 | 有価証券で差し入れてもよい |
| 売りと買いの所要額 | 同じ |
- 「建玉の評価損」と「代用有価証券の評価損」で扱いが違うのがポイント。建玉で損が出た分は現金、と覚えましょう。
5. ○×で出る「ひっかけ」
- 「日経225先物の取引単位は指数の10,000倍」→ ×。1,000倍(10,000倍はTOPIX)。
- 「TOPIX先物の呼値は1ポイント」→ ×。0.5ポイント。
- 「株価指数先物は現物の受渡しで決済できる」→ ×。差金決済だけ。
- 「長期国債先物の標準物は利率3%」→ ×。6%(3%は中期)。
- 「証拠金は取引した日の当日中に差し入れる」→ ×。翌営業日まで。
- 「建玉の評価損は有価証券で代用できる」→ ×。現金です。
- 「先物の理論価格は、現物価格より必ず低い」→ ×。金利が配当利回りより高ければ現物より高くなる(先物の計算)。