ここでは、証券アナリスト取得後の CFA 以外のステップアップを紹介します。
正直なところ、仕事ができる人は資格など必要ありません。パフォーマンスを残せるトレーダーやファンドマネージャー、評価の高い成果物を出せるアナリストは、自然と業界で名前が知れ渡ります。とはいえ、そのレベルまで行けるのはごく少数で、そもそも業務に参加すること自体にハードルがある場合も多いので、アピール方法の一つとして資格が必要になってくるわけです。
専門分野を絞った FRM・CAIA
CFA よりも専門分野を絞ったのが FRM(Financial Risk Manager)と CAIA(Chartered Alternative Investment Analyst)です。FRM はリスクマネジメント、CAIA はオルタナティブ投資に絞った CFA、とイメージしておけばだいたい間違っていません。
どちらも日本ではほとんど取得者がいません。専門分野だからか、知名度のためか、CFA に流れやすい傾向があるからかもしれませんが、日系・外資を問わず金融機関で重要度が増している分野で、評価は高いです。どちらも2段階の試験で、CFA の3段階より時間的な負担は小さく済みます。
海外 MBA・USCPA
海外 MBA(経営大学院。大学により評価は異なります)や USCPA(米国公認会計士。日本で受験できます)も評価は高いです。知識面よりは、交友関係や語学力の意味合いが少し強いですが。
日本の難関資格:会計士・鑑定士・アクチュアリー・診断士
日本の資格では、公認会計士や不動産鑑定士は、試験合格しておけばアナリストや不動産ファンドの業務で重宝されます(どちらも有資格者として登録するには実務経験や研修が必要なので、登録まではハードルが高いです)。
保険会社やアセットマネジメント会社(主に年金向け)、金融機関向けに商品開発する外資証券などでは、日系・外資を問わずアクチュアリー(2次合格)の評価が総じて高いです。ホールセール業務では中小企業診断士も受験者が多く評価が高いです。
難関でなくてもよい:AFP・CFP、簿記、銀行業務検定、TOEIC
上の資格は難易度がかなり高いですが、そこまで絞らなくても、たとえば AFP・CFP を取ってリテール向けの知識を証明すれば、社内での評価は高くなりやすいです(CFP は銀行・証券・保険のどこでも総じて評価が高いです。日本の金融機関はジェネラリストを好む傾向が強いためです)。
若手であれば、簿記や銀行業務検定で幅広い一般教養を示すのも有効です。TOEIC など語学系のスコア向上も、今後はより重要になります。
資格より仕事のパフォーマンス
個人的には、資格に専念しすぎるのではなく、仕事のパフォーマンスを上げる努力をする方が価値があると思います。CMA で基礎的な評価は得られているので、たとえば統計処理やモデル作成ができるよう知識を身につけ、乱数発生やモンテカルロ・シミュレーションを組める程度に VBA や Python のスキルを習得したり、分野を絞った専門知識を身につける方が、将来通用する専門分野が増え、業務の幅が広がり、業務効率も上がってパフォーマンスも上がる。トータルで見た価値は高いです。