証券アナリストの難易度と合格率。2次でも簿記2級程度

証券アナリストは、特に若手が合格していると、日本の金融機関ではかなりの高評価につながります。中にいる人間の感覚としても、他社に聞いた感想としても間違いありません。では、実際の難易度はどれほどか。

個人的な意見として結論を言うと、試験全体の難易度は「やや簡単〜普通(2次試験でも簿記2級程度)」です。

1. なぜ「難しい」というイメージがあるのか

「そんなことはない、もっと難しいことをやっている」という意見があるのも当然で、理由があります。カバーする範囲(証券分析・財務・経済・統計・倫理)が非常に広く、数式も使うため、テキストを開いた瞬間に圧倒されて挫折する人が後を絶ちません。たしかに、実際に資産運用に従事している人でも、すべてを習得している人はごく少数です。

しかし、「実務で使いこなすレベルの理解」と「試験に合格するための点数稼ぎ」は全く別物です。

証券アナリスト試験は、毎年出題される「定番の計算パターン」と「頻出の論点」がほぼ決まっています。出ない知識はすべて捨て、出る部分だけに絞って過去問を回せば、必要以上の苦労をせずに合格点に届きます。

2. 合格率は1次が4〜5割、2次が4割強

日本証券アナリスト協会が公表している直近のデータです(2026年11月確認)。

試験区分実施時期合格率
1次 科目Ⅰ(証券分析)2026年春43.1%
1次 科目Ⅱ(財務分析)2026年春50.7%
1次 科目Ⅲ(経済・数量・倫理)2026年春39.2%
1次 科目Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ(参考)2025年秋52.8%/54.4%/51.0%
2次(総合記述)2026年42.0%(受験 2,317名・合格 973名)
2次(参考)2025年/2024年44.4%/44.6%

出典:日本証券アナリスト協会 1次試験データ・2次試験データ

合否は「上位一定割合の受験者の平均得点」を基準に決まる相対評価です。受験者の母集団には、仕事の合間に片手間で受ける社会人、会社から半ば強制的に受けさせられている層のほか、引退後の自己研鑽として受けている高齢の方や、専門性の少ない人もかなりいます。そのような母集団の中で4〜5割が受かる試験である以上、正しく過去問対策をすれば、突破できない難易度ではありません。勉強時間を確保でき、頭が回る若手なら、なおさらです。

3. よくある失敗:全部やろうとして自滅する

この試験で落ちる人の典型は、「テキストを1ページ目から隅々まで読もうとする完璧主義」です。

財務や経済に触れてこなかった人ほど、「公式の導出過程」や「理論の背景」を理解しようとして沼にはまります。試験で問われるのは、数値を正確に当てはめることと、選択肢や記述で要点を押さえることです。

「簿記2級に受かるくらいの努力をすればいい」「全部できなくても問題ない」と割り切り、頻出論点だけを反復するのが最短です(具体的な絞り方は1次試験の対策方針から)。

なお、合格したことを自慢する若手が、なぜか結構います。冷ややかな目で見る人も多いので、うれしくても控えておきましょう。