証券アナリスト1次 科目Ⅱ 財務分析の対策

結論から言うと、科目Ⅱは財務諸表分析と株式価値評価の指標・公式を覚えれば終わりの科目です。覚える量は多めですが、覚えた分がそのまま点になります。

1次試験のうち、最も計算が簡単なのが科目Ⅱの財務分析(財務分析、コーポレート・ファイナンス。配点はおおむね3:1)です。

計算が簡単な分、覚える量は増えがちですが、簿記をやっている人は B/S や P/L の見方がわかっているので理解が進みやすいはずです。どの科目にも既存知識がない人や、数式が嫌いで証券分析に苦手意識がある人は、まずこの科目から取り組むと試験全体の効率が上がります。

重要な範囲

財務分析は、財務会計総論、資産会計、負債会計、純資産会計、損益会計、企業結合会計、財務諸表分析、株式価値評価(コーポレート・ファイナンス)から構成されます。ごちゃごちゃしていますが、B/S 関係が資産・負債・純資産の3つ、P/L 関係が損益、あとは言葉のとおりです。

この中で重要なのは次の2つです。

対策講義:指標と公式を覚えれば終わり

重要な2つは、証券分析でも同じ内容が出るので非常に重要ですが、やっていることは簡単です。

財務諸表分析は、B/S や P/L のこの数字とこの数字を割るとこういう指標になり、こういう意味がある、というのを延々と覚えるだけです(数式の意味も、読めばなんとなくわかるものばかりです)。指標の定義と意味を覚えてしまえば、あとは数字を拾って計算するだけなので、得点が最も上がりやすい部分です。個人の株式投資や実際のアナリスト業務でも役に立つので、興味を持ちやすい分野でもあります。

株式価値評価は、配当割引モデルや DCF 法が出てきますが、将来得られるお金を出して、それぞれの現在価値を求めて、足すだけ、という単純な話です。証券分析の考え方に通じる部分が多いので、既存知識のない人は証券分析の導入として先にやるべきです。

どちらも、内容がわからなくても、用語と公式を覚えればそれで終わりです。ここで覚えたことは証券分析の得点にもつながるので、重点的に取り組みましょう。

なお、財務分析は重要な範囲以外の論点も、すべて覚えるだけで対応できます。努力できる人にはサービス科目です。逆に言えば、この科目を落とす人は……ということにもなります。

書籍と勉強方法

この科目も、TAC の総まとめテキストと過去問題集の2冊で必要十分です。協会の推薦テキストは買わなくてよいです。証券分析と違って本当に使い道がありません(他の会計・税務系の資格の勉強に使える程度です)。

手順

  1. 業務をやっている人でも、ROE の分解やインタレスト・カバレッジ・レシオと言われてすぐ数式が浮かぶ人は少ないはずです。まず総まとめテキストで財務諸表分析と株式価値評価を読み込み、指標と数式を覚えてしまいましょう(覚えれば終わりなので、さっさと覚えることが重要です)。特に ROE の分解(デュポン・システム)と ROA の分解はよく出て配点も高いので、確実に。式の意味がわかるのが望ましいですが、わからなくても数式を覚えておけば大丈夫です。
  2. 記憶の確認として、過去問のうち重要な範囲の問題をすべて3回解く。問題文と資料が多くて分量が多く見えますが、数式を覚えているだけで解ける問題がほとんどなので、時間はかかりません(ここまでの目安は2週間)。
  3. B/S と P/L に何が書いてあるか全くわからない状態だと非常に効率が悪いので、簿記などの既存知識が全くない人は、得点 UP も兼ねて資産・負債・純資産・損益の4つを先にさらっと読むことをおすすめします。
  4. この状態で1年分の過去問を解く。おそらく、後半(財務諸表分析・株式価値評価)の得点が高く、前半がボロボロで、4割くらいになると思います。
  5. 財務諸表分析を重点的にやっていると、B/S・P/L のどこに何があるかは自然と頭に入っています。その状態で資産・負債・純資産・損益の4つを読むと「あーそれね」と理解が進むので、ここで得点を補います。必ず総まとめテキストの「過去の出題一覧と重要度」で「◎ または A」の部分から、テーマごとにテキスト一読 → 過去問3回。この時点で期待値6割を超えます(必ずここまでは試験までに終わらせましょう)。
  6. 試験直前に、読み物的な総論を押さえれば十分です。

企業結合会計は、興味があれば読む程度でよく、得点できなくても問題ありません。TAC の書籍の7割くらいの範囲についてテキストと過去問ができていれば大丈夫です。余裕があれば残りも、テキスト一読 → 過去問3回でリスクを減らしましょう。