1. 型①:変動金利の利払い(Act/360)
金利スワップなどの変動金利の利払いは、「実際の日数 ÷ 360日(または365日)」で日割りします(Act=Actual、実日数)。円の短期金利は Act/365、ドルなどは Act/360 が慣習ですが、試験では問題文に「Act/360」などの指定があるので、それに従います。
利払い額 = 元本 × 年利率 × 実日数 ÷ 360
想定元本5,000万円、変動金利が年1.5%、利払い期間の実日数が90日のとき、利払い額は。
- 5,000万円 × 1.5% = 75万円(1年分)
- 75万円 × 90 ÷ 360 = 187,500円
- よくある引っかけ:365日で割る選択肢(184,932円)、月数で割る選択肢(3か月 ÷ 12 = 187,500円と同じ値になることもあるが、日数が91日・92日のときはずれる)。問題文に「Act/360」とあれば、必ず実日数と360を使います。
- 金利スワップでは、固定金利側と変動金利側の利払い額を出して、差額だけを受け渡しします(ネット決済)。
2. 型②:天候デリバティブのペイオフ
天候デリバティブは、気温や降雪日数などの「指標」が約束した水準(ストライク値)を超えたら、超えた分に応じてお金を受け取る取引です。
受取額 =(観測された指標 − ストライク値)× 1単位あたりの補償額(上限あり)
降雪日数が10日(ストライク値)を超えた場合、1日につき100万円を受け取り、上限は1,000万円とする契約。観測された降雪日数が ①3日 ②15日 ③25日 のときの受取額は。
- ①3日:ストライク値を下回るので 0円
- ②15日:(15 − 10)× 100万円 = 500万円
- ③25日:(25 − 10)× 100万円 = 1,500万円 → 上限があるので 1,000万円
- ストライク値と同じときは0円(「超えた分」がゼロ)。
- 上限(補償金受取総額の上限)を忘れた選択肢(1,500万円)は消しましょう。
3. 天候・災害デリバティブの性質(○×)
| 商品 | 何に連動するか | 性質 |
|---|---|---|
| 天候デリバティブ | 気温・降水量・降雪日数など | 実際の損害額とは関係なく、指標が条件を満たせば支払われる |
| 地震デリバティブ(地震オプション) | 震度・マグニチュードなど | 同じく実損填補ではない。実際に損害がなくても条件を満たせば支払われる |
| CATボンド(大災害債券) | 大災害の発生 | 災害が起きると元本や利息が減る債券。投資対象としては分散が効きにくい |
| CATスワップ | 自然災害のリスク | 国内の損保と海外の損保が、互いの災害リスクを交換する |
- 保険との違いは、「損害の証明がいらない」こと。保険は実際の損害を証明して保険金をもらいますが、天候・地震デリバティブは指標だけで決まります。だから「異常気象と損害の因果関係の調査が必要」→ ×。
- HDD・CDD:気温の指標。HDD(暖房度日)は基準温度を下回った度合い、CDD(冷房度日)は上回った度合い。
- 売り手の支払いが膨らみすぎないよう、支払額の上限を決めるのが一般的です。
4. ○×で出る「ひっかけ」
- 「天候デリバティブは実際の損害額に応じて支払われる」→ ×。指標で決まる。
- 「地震オプションは実際に損害が発生しないと支払われない」→ ×。条件を満たせば支払われる。
- 「Act/360は1年を365日として計算する」→ ×。360日(Act/365なら365日)。
- 「CATボンドは分散投資に向いた安全な債券」→ ×。災害に集中したリスクを持つ。
ここまでで、足された4分野(信用・先物・オプション・店頭デリバ)は終わりです。次の共通分野で一種だけ注意することで、二種の範囲のうち一種で出方が変わる所を確認しましょう。