証券外務員一種の計算③オプション。戦略別の損益と「無限定」の組合せ

オプションの5択は、毎回「戦略の損益」が1〜2問出ます。損益図(横軸に期日の原資産価格、縦軸に損益)を描けば必ず解けます。覚えるのは「どの組合せが利益・損失が限定か無限定か」の表だけです。

1. 基本の4つ(損益図の形)

期日の損益は、「本質的価値 − 払ったプレミアム」(買い)または「受け取ったプレミアム − 本質的価値」(売り)です。

戦略期日の損益最大利益最大損失損益分岐点
コールの買い原資産が上がるほど増える無限定プレミアム(限定)権利行使価格 + プレミアム
コールの売り原資産が上がるほど減るプレミアム(限定)無限定権利行使価格 + プレミアム
プットの買い原資産が下がるほど増える無限定(試験上の扱い)プレミアム(限定)権利行使価格 − プレミアム
プットの売り原資産が下がるほど減るプレミアム(限定)無限定(試験上の扱い)権利行使価格 − プレミアム

日経225コール・オプション(権利行使価格40,000円)をプレミアム500円で1単位買った。SQ値が41,000円のときと39,000円のときの損益は(取引単位1,000円)。

  1. SQ 41,000円:本質的価値は 41,000 − 40,000 = 1,000円。損益は(1,000 − 500)× 1,000円 = +50万円
  2. SQ 39,000円:本質的価値はゼロ(権利放棄)。損益は −500 × 1,000円 = −50万円(最大損失)
  3. 損益分岐点は 40,000 + 500 = 40,500円

2. スプレッド(利益も損失も限定)

同じ種類のオプションを、権利行使価格を変えて1つ買い・1つ売る組合せです。利益も損失も限定されるのが特徴。

戦略組合せ狙い
バーティカル・ブル・コール・スプレッド権利行使価格の低いコールを買い、高いコールを売る緩やかな上昇
バーティカル・ベア・コール・スプレッド権利行使価格の高いコールを買い、低いコールを売る緩やかな下落
バーティカル・ブル・プット・スプレッド高いプットを売り、低いプットを買う緩やかな上昇
バーティカル・ベア・プット・スプレッド高いプットを買い、低いプットを売る緩やかな下落

権利行使価格40,000円のコールをプレミアム800円で買い、権利行使価格41,000円のコールをプレミアム300円で売った(ブル・コール・スプレッド、1単位、取引単位1,000円)。SQ値が42,000円のときの損益は。

  1. 買ったコール:本質的価値 2,000円(42,000 − 40,000)− 払ったプレミアム 800円 = +1,200円
  2. 売ったコール:受け取ったプレミアム 300円 − 本質的価値 1,000円(42,000 − 41,000)= −700円(売り手なので本質的価値はマイナス)
  3. 合計:1,200 − 700 = +500円 × 1,000 = +50万円

3. ストラドル・ストラングル(買いは損失限定、売りは無限定)

同じ限月のコールとプットを同時に買う(売る)組合せです。「上がるか下がるかわからないが、大きく動く(動かない)」と読むときに使います。

戦略組合せ最大利益最大損失
ストラドルの買い同じ権利行使価格のコールとプットを買う無限定プレミアムの合計(限定)
ストラドルの売り同じ権利行使価格のコールとプットを売るプレミアムの合計(限定)無限定
ストラングルの買い権利行使価格の違うコール(高い)とプット(低い)を買う無限定プレミアムの合計(限定)
ストラングルの売り同じものを売るプレミアムの合計(限定)無限定

権利行使価格40,000円のコール(プレミアム500円)とプット(プレミアム400円)を1単位ずつ買った(ストラドルの買い、取引単位1,000円)。最大損失と損益分岐点は。

  1. 最大損失:プレミアムの合計 500 + 400 = 900円 × 1,000 = 90万円(SQ値がちょうど40,000円のとき)
  2. 損益分岐点は上下に2つ:40,000 + 900 = 40,900円、40,000 − 900 = 39,100円
  3. SQ値が40,900円より上か、39,100円より下なら利益

4. 合成先物(オプションで先物と同じ損益を作る)

組合せ同じ損益になるもの
コールの買い + プットの売り(同じ権利行使価格)先物の買い
コールの売り + プットの買い(同じ権利行使価格)先物の売り

5. 「限定・無限定」の覚え方(2つ選ぶ問題の定番)

計算で迷ったら、横軸に原資産価格、縦軸に損益の図を描いて、買いは折れ線が上向き、売りは下向きで足し合わせてください。