1. 基本の4つ(損益図の形)
期日の損益は、「本質的価値 − 払ったプレミアム」(買い)または「受け取ったプレミアム − 本質的価値」(売り)です。
| 戦略 | 期日の損益 | 最大利益 | 最大損失 | 損益分岐点 |
|---|---|---|---|---|
| コールの買い | 原資産が上がるほど増える | 無限定 | プレミアム(限定) | 権利行使価格 + プレミアム |
| コールの売り | 原資産が上がるほど減る | プレミアム(限定) | 無限定 | 権利行使価格 + プレミアム |
| プットの買い | 原資産が下がるほど増える | 無限定(試験上の扱い) | プレミアム(限定) | 権利行使価格 − プレミアム |
| プットの売り | 原資産が下がるほど減る | プレミアム(限定) | 無限定(試験上の扱い) | 権利行使価格 − プレミアム |
日経225コール・オプション(権利行使価格40,000円)をプレミアム500円で1単位買った。SQ値が41,000円のときと39,000円のときの損益は(取引単位1,000円)。
- SQ 41,000円:本質的価値は 41,000 − 40,000 = 1,000円。損益は(1,000 − 500)× 1,000円 = +50万円
- SQ 39,000円:本質的価値はゼロ(権利放棄)。損益は −500 × 1,000円 = −50万円(最大損失)
- 損益分岐点は 40,000 + 500 = 40,500円
2. スプレッド(利益も損失も限定)
同じ種類のオプションを、権利行使価格を変えて1つ買い・1つ売る組合せです。利益も損失も限定されるのが特徴。
| 戦略 | 組合せ | 狙い |
|---|---|---|
| バーティカル・ブル・コール・スプレッド | 権利行使価格の低いコールを買い、高いコールを売る | 緩やかな上昇 |
| バーティカル・ベア・コール・スプレッド | 権利行使価格の高いコールを買い、低いコールを売る | 緩やかな下落 |
| バーティカル・ブル・プット・スプレッド | 高いプットを売り、低いプットを買う | 緩やかな上昇 |
| バーティカル・ベア・プット・スプレッド | 高いプットを買い、低いプットを売る | 緩やかな下落 |
- ブル=上がると儲かる、ベア=下がると儲かる。コールでもプットでも作れます。
- カレンダー・スプレッド:同じ権利行使価格で、限月の違うオプションを買い・売りする組合せ。
権利行使価格40,000円のコールをプレミアム800円で買い、権利行使価格41,000円のコールをプレミアム300円で売った(ブル・コール・スプレッド、1単位、取引単位1,000円)。SQ値が42,000円のときの損益は。
- 買ったコール:本質的価値 2,000円(42,000 − 40,000)− 払ったプレミアム 800円 = +1,200円
- 売ったコール:受け取ったプレミアム 300円 − 本質的価値 1,000円(42,000 − 41,000)= −700円(売り手なので本質的価値はマイナス)
- 合計:1,200 − 700 = +500円 × 1,000 = +50万円
- このスプレッドの最大利益は「権利行使価格の差 1,000円 − プレミアムの差 500円 = 500円」で、SQ値が41,000円以上ならいくら上がっても同じです。最大損失はプレミアムの差 500円(SQ値が40,000円以下)。
- よくある引っかけ:売った側の本質的価値を足してしまう(売り手はマイナス)、片方のプレミアムを忘れる。
3. ストラドル・ストラングル(買いは損失限定、売りは無限定)
同じ限月のコールとプットを同時に買う(売る)組合せです。「上がるか下がるかわからないが、大きく動く(動かない)」と読むときに使います。
| 戦略 | 組合せ | 最大利益 | 最大損失 |
|---|---|---|---|
| ストラドルの買い | 同じ権利行使価格のコールとプットを買う | 無限定 | プレミアムの合計(限定) |
| ストラドルの売り | 同じ権利行使価格のコールとプットを売る | プレミアムの合計(限定) | 無限定 |
| ストラングルの買い | 権利行使価格の違うコール(高い)とプット(低い)を買う | 無限定 | プレミアムの合計(限定) |
| ストラングルの売り | 同じものを売る | プレミアムの合計(限定) | 無限定 |
権利行使価格40,000円のコール(プレミアム500円)とプット(プレミアム400円)を1単位ずつ買った(ストラドルの買い、取引単位1,000円)。最大損失と損益分岐点は。
- 最大損失:プレミアムの合計 500 + 400 = 900円 × 1,000 = 90万円(SQ値がちょうど40,000円のとき)
- 損益分岐点は上下に2つ:40,000 + 900 = 40,900円、40,000 − 900 = 39,100円
- SQ値が40,900円より上か、39,100円より下なら利益
4. 合成先物(オプションで先物と同じ損益を作る)
| 組合せ | 同じ損益になるもの |
|---|---|
| コールの買い + プットの売り(同じ権利行使価格) | 先物の買い |
| コールの売り + プットの買い(同じ権利行使価格) | 先物の売り |
- 「買う権利を買って、売る権利を売る」=上がれば儲かり下がれば損する=先物の買い。損益図は右上がりの直線になります。
5. 「限定・無限定」の覚え方(2つ選ぶ問題の定番)
- 買いは損失限定・利益無限定、売りは利益限定・損失無限定。プットは原資産がゼロになるまでが上限ですが、外務員試験では「無限定」として扱います。
- スプレッドは利益も損失も限定。
- ストラドル・ストラングルは、買いなら損失限定・利益無限定、売りなら逆。
- 「買いだけ」で作る戦略(コール買い・プット買い・ストラドル買い・ストラングル買い)は利益無限定・損失限定。「売りだけ」で作る戦略は逆。買いと売りを組み合わせたスプレッドは両方限定、と覚えると速いです。
計算で迷ったら、横軸に原資産価格、縦軸に損益の図を描いて、買いは折れ線が上向き、売りは下向きで足し合わせてください。