1. オプションとは(買い手と売り手)
オプションは、「決まった値段(権利行使価格)で買う権利、または売る権利」を売買する取引です。権利の値段をプレミアムといいます。
| コール・オプション | プット・オプション |
| 何の権利か | 買う権利 | 売る権利 |
| 買い手が儲かるのは | 原資産が上がったとき | 原資産が下がったとき |
| 買い手の損失 | プレミアムが上限(限定) | プレミアムが上限(限定) |
| 売り手の利益 | プレミアムが上限(限定) | プレミアムが上限(限定) |
| 売り手の損失 | 無限定 | 無限定(試験ではプットも「無限定」扱い) |
- 買い手は「権利を使うか捨てるか」を選べます。損しそうなら使わなければよいので、買い手の損失はプレミアムに限定されます。
- 売り手はプレミアムを受け取る代わりに、買い手が権利を使ったら必ず応じなければなりません。だから売り手の損失は限定されません。
- 「権利を使うこと」を権利行使、使わずに期限が来ることを権利放棄といいます。
2. 本質的価値と時間価値、イン・アット・アウト
プレミアムは、「本質的価値」と「時間価値」の合計です。
- 本質的価値:今すぐ権利行使したら得られる利益。コールなら「原資産価格 − 権利行使価格」、プットなら「権利行使価格 − 原資産価格」(マイナスならゼロ)。
- 時間価値:期日までに有利に動くかもしれない期待の分。プレミアムから本質的価値を引いた残り。
| 状態 | コール | プット | 本質的価値 |
| イン・ザ・マネー(ITM) | 原資産 > 権利行使価格 | 原資産 < 権利行使価格 | ある |
| アット・ザ・マネー(ATM) | 原資産 = 権利行使価格 | 同じ | ゼロ |
| アウト・オブ・ザ・マネー(OTM) | 原資産 < 権利行使価格 | 原資産 > 権利行使価格 | ゼロ |
- OTMのプレミアムは時間価値だけでできています(本質的価値がゼロなので)。
- 時間価値は、期日が近づくにつれて減っていき、期日にはゼロになります。
3. プレミアムが動く5要因(この表が一番出る)
| 要因 | こう動くと | コールのプレミアム | プットのプレミアム |
| 原資産価格 | 上がる | 上がる | 下がる |
| 権利行使価格 | 高いものほど | 低い | 高い |
| 残存期間 | 短くなる | 下がる | 下がる |
| ボラティリティ(変動の大きさ) | 上がる | 上がる | 上がる |
| 短期金利 | 上がる | 上がる | 下がる |
- 残存期間とボラティリティは、コールもプットも同じ方向。残りの3つは逆方向です。「期間が長い・動きが激しい = チャンスが増える = どちらも高い」と覚えましょう。
- 権利行使価格は「買う権利は、安く買える権利ほど高い」「売る権利は、高く売れる権利ほど高い」。
- 短期金利は、コールが上がりプットが下がります(○×でたまに出ます)。
4. グリークス(感応度の名前)
プレミアムが「何に対してどれだけ動くか」に名前がついています。○×で「〇〇は△△の変化に対する〜」の形で出ます。
| 名前 | 何の変化に対する | 何の変化か |
| デルタ | 原資産価格 | プレミアム(コールは0〜1、プットは−1〜0) |
| ガンマ | 原資産価格 | デルタ |
| セータ | 残存期間 | プレミアム |
| ベガ | ボラティリティ | プレミアム |
| ロー | 短期金利 | プレミアム |
- ガンマだけ「デルタの変化」。あとは全部「プレミアムの変化」です。
5. 株式オプションと国債先物オプションの数値表
| 項目 | 日経225オプション/TOPIXオプション | 長期国債先物オプション |
| 取引単位 | プレミアム × 1,000円(TOPIXは10,000円) | 国債先物 額面1億円 |
| 権利行使のタイプ | ヨーロピアン(取引最終日の翌営業日だけ) | アメリカン(取引期間中いつでも) |
| 取引最終日 | 各限月の第2金曜日の前営業日 | 限月の前月末日 |
| 権利行使すると | SQ値との差金決済 | 国債先物の取引が成立 |
| 期日に本質的価値がある建玉 | 自動的に権利行使 | 自動的に権利行使 |
| 限月の数(TOPIX) | 19限月(6・12月限は直近10、3・9月限は直近3、その他は直近6) | — |
- 株式はヨーロピアン、国債先物はアメリカン。この組合せは○×の定番です。
- 国債先物オプションは「国債を買う権利」ではなく、「国債先物を買う(売る)権利」です。権利行使すると先物の建玉ができます。
- 個別株のオプション(有価証券オプション)では、株式分割があったときに権利行使価格が分割比率に応じて調整されます。
6. ○×で出る「ひっかけ」
- 「コールの買い手の損失は無限定」→ ×。買い手はプレミアムに限定。無限定なのはコールの売り手。
- 「残存期間が短くなるとコールは下がりプットは上がる」→ ×。どちらも下がる。
- 「ボラティリティが上がるとプットは下がる」→ ×。どちらも上がる。
- 「OTMのプレミアムには本質的価値がある」→ ×。時間価値だけ。
- 「日経225オプションはアメリカンタイプ」→ ×。ヨーロピアン。
- 「ガンマは原資産価格の変化に対するプレミアムの変化」→ ×。デルタの変化(プレミアムの変化はデルタ)。